阪神・淡路大震災-防災
震災当時の状態が保存されている神戸港震災メモリアルパーク。浜手バイパスの奥に見える阪神高速神戸線も倒壊した。2004年2月撮影
この大震災が大惨事となった大きな理由の一つに、近畿地方では外の地方に比べて地震の発生が少なかった事が挙げられる。地震の専門家の一部は、規模の小さい地震すら起こらないことでエネルギー(歪み)の蓄積が起こっており、万が一地震が発生した場合は規模の大きなものになる危険性を妊んでいる事を指摘していた。
しかし、「近畿地方は地震が少ない。仮に起こってもそんなに大きな地震ではないだろう。」といった“実体験”による認識(ただし、歴史文献を紐解けば、実際には近畿地方は度々巨大地震に襲われている。「地震の年表#日本」も参照せよ)から、「近畿地方では大きな地震は起こらない。」とする誤解が広まっており、専門家の指摘を信用する人間が少なかった。
又、これまで大地震の発生機構については、太平洋プレートやフィリピン海プレートが日本海溝や南海トラフでユーラシアプレートの下に滑り込み、そのプレートの跳ね返りにより発生するもの(海溝型地震)ばかりが注目され、活断層のずれによる大地震の発生はさほど注目されていなかった。実際に、これらのプレートの境界の近くに位置する東海地方では、大地震(東海地震、東南海地震など)の発生する可能性が最も高い地域として防災訓練や建造物の補強など徹底した対策が取られてきた。その一方で、近畿地方では無警戒に近かった。
北海道、東北地方、北陸地方などの雪国であれば、地震の多発地帯以外でも、「雪」という重量物が屋根の上に積み重なる前提で家屋が建てられるために、結果的に「地震」など揺れにも強い構造となることも言われている。ただし、新潟県中越地震において豪雪地帯の建物が少なからず倒壊・損壊した事で、耐雪構造と耐震構造を分けて考える必要性が指摘されるようになっている。
全てではないが、その後のビルディングも含めた建築物を建造や補修する際は、阪神・淡路大震災における惨劇を教訓とした上で、最低限の耐震性を考慮した構造に変わっていった。又、前述の「高架になっている高速道路や一般道路、鉄道などの橋脚」の構造上の脆弱さが指摘されて、順次、行政主導のもと補強工事が施工されていった。
この地震の原因である活断層は全国に広く分布しているが、大地震を正確に予知することは現在も事実上不可能であり、「活断層上の建造物の耐震性」「地盤の強弱」を前提とした補修、建築であっても、地震発生の際の被害予測は非常に難しい。又、「地震に起因する火災(特にもらい火)」などは、多くの火災保険では填補除外条項とされているケースが多く、採算性の問題も含め改善が進んでいない。そのため、この震災を機会に地震保険への注目が集まるようになった。
そういった諸問題も含め、この「大震災」は日本の災害対策上重要な位置を占めている。地震の少ない地方であったとはいえ、「地震国日本」が、こういった人命や建造物問わず、甚大な被害を被ったこと自体が、世界中に衝撃を与えた。
以上の教訓を踏まえて、兵庫県は、神戸市中央区に人と防災未来センターを建設した。なお、新潟県中越地震による新潟県への別館建設も検討中である。また、震災の記録を残すため、津名郡北淡町(現在の淡路市北部)には兵庫県南部地震の震源となった野島断層を保存する北淡震災記念公園が、神戸市中央区のメリケンパークには崩壊したメリケン波止場を保存する神戸港震災メモリアルパークが整備された。
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